けっきょくなにもしない

おじさんのひび

330円のいざない その1 Baby a Go Go/RC Succession

配信で音楽を聴くのが普通になっていますが、単曲より、アルバムが好き。あと手元に「もの」として持っていたい。

それは新しい作品だけでなく、むかしの思い出のアルバムも同じ。

 

 

けっこう魅惑の棚

先日ブッ〇オフで、この棚をまじまじ見た。

330円以下(税込)の棚。

多いのは、アイドルのCD。同じアルバムでいろんな形態を出すタイプですね。これも推し活動。すごいですね。

よく見ると気になるものが結構ある。

あぁこれ聴いていたな、レンタルだったか、友達から借りたのだったか、持っていないな、これもう売っていないな、とか。

アーティストにはもうしわけないが、お金のないわたしにはありがたいのは事実。

 

めちゃめちゃきいたアルバムも、いくつか振り返って書いたけど、こういうアルバムを再確認するのもいいかも、ということで、購入しました。

 

RC Succession RCサクセション

日本のロック界を代表するバンドですね。

とくにわたしのような50代の人は、一度は聴いたことがあるバンドでしょう。

歴史は長く1968年結成、1970年デビュー。

わたしも何度かライブに行きましたが、当時は「King of Live」といわれるほど、派手で、楽しくて、盛り上がるライブができるバンドでした。

 

もともとはフォークグループでしたが、事務所のごたごたなどから、メンバーが脱退。バンドを再編成し、ロックバンドに変身。

いわゆる「忌野清志郎」のあのスタイルは、ここから始まりました。

 

日本のロックスタイルの原型ともいえるでしょう。

 

COVERS事件

もともと刺激的な歌詞が多いRC successionでした。

歌詞カードに載らないとか、ノイズで一部分を聞こえないようなっていたりとか、ボツになったりとか。そういう話題の多いバンドでした。

その最も大きな事件が、1998年アルバム「COVERS」事件。

 

 

彼らのルーツといえる曲を、日本語でカバーした曲を集めたアルバム。

歌詞は、反戦原発中心の替え歌。特に先行で発売予定だった「ラブ・ミー・テンダー」は反核・反原発の歌詞。

当時所属していた東芝EMIは、「素晴らしすぎて発売できません」という広告を出して、発売直前に中止となりました。

親会社の東芝原子力関連の大手だから、というのは明白でした。

 

ライブでもレコード会社やメディアを痛烈批判し、大きく影響を受けた(?)謎のバンド、THE TIMERSが現れ、これまたテレビの生放送でラジオ局を痛烈批判したり。

 

結局、ほかのレコード会社から発売はされましたが、この事件からRC Successionは大きく変わってしまいます。

Baby a Go Go

で、長くなりましたが、今回魅惑の棚で見つけた1990年発売の彼らのラストアルバム。

メンバーは、ボーカル、ギター、ベースの3人だけになってしまい、COVERS事件後、なんとなく変質してしまった感はありました。

 

このアルバムも確か買ってはいなかった。レンタルだったかな。

正直、COVERSは嫌いではなかったけど、なんとなく「RC Successionの黒い部分が抽出された」感じがした。なので、THE TIMERSでの表現としてよかった。

なので、このラストアルバムもちょっと期待はしていなかったのが正直なところ。

 

でも、わたしはこのアルバムがRC Successionの中で、一番好きなアルバムになりました。

フォークからパンク、アメリカンロック、ブリティッシュロックなど、彼らのルーツとなる音楽のすべてを盛り込み、もちろんRC Successionの音楽にしている。

そして、アコースティックギターが多く使われ、温かみがあり、ユーモアがあり、かっこよさがあり。「RC Successionの魅力だけが抽出された」アルバムです。

 

I LIKE YOU

アルバム冒頭の1曲。やさしさあふれる名曲です。

飾らずそのままの君がいちばん素敵、ストレートでシンプルな歌詞ですが、忌野清志郎の歌声と、シンプルな楽器構成と伴奏がぴったりはまっていると思います。

 

June Bride

好きだった娘が違う男性と結婚することを見て、悔しがりながら「おめでとう」と言う男を歌っています。

これもシンプルな歌詞ながら、素敵な歌。

大好きな歌ですね。結婚式では歌えませんが(笑)

 

Rock'n Roll Showはもう終わりだ

発売前で曲名が違います。

「どかどかうるさいロックロールバンド」では、町にロックバンドが来て、今夜「SHOW」があるぜ、という歌詞。

そんな儲からないけど、最高なショーを見せるぜといった少し自虐的ですが、名曲です。

しかし、この曲では「もうアキアキだ」と言っています。

なにが?というと「ビジネス」でした。

ただギターを鳴らして歌いたいんだ、ビジネスなんかめんどくせぇ、と。

そして「ByeBye」を繰り返し、「さようなら」で終わります。

 

この曲を聴いて、RC Successionは終わるけど、新しく生まれ変わるんだろうな、と期待をしました。

また、この演奏も最高なんですよね。ぜひアルバムで聴いてほしい。

 

楽(LARK)

アルバムの最後の曲。

「楽したい」と歌い、タバコ「LARK」を吸う。

印象的なのは「遠くを見たい」「遠くを見ていたい」という歌詞。

いろいろあって、せわしなかったバンド。

楽したいというより、いったん落ち着いて、ゆっくりと考えたい、のかな、と思いました。

ここで、RC Successionはやりきったのかな、という感じがしました。

 

通して聴くべきアルバム

とにかく、このアルバムは、収録曲11曲を通して、順番に聴いてほしい。

1つの作品として完成されています。

これほどのアルバムはそうはないな、と思いました。

そんな名盤が330円。。。35年前か。。。

 

けっきょく、アナログでほしいアルバムの1つ。