Wikiで今日の日付を検索するのが好き。
たまに気づいたことを書こうと思う。
言葉だけだと物騒な感じするが、はじめてしったときにはわらってしまった。
当事者は大変だったと思うが。。。
12月14日
NASCAR設立
世良公則の誕生日
そんなこの日に、たいへんおもしろい、興味深い事件が起きた。
豊川信用金庫事件
こんな題名だと、強盗とかを思いうかぶ。
いまもあるので、無くなったわけでもない。
この事件は高校生の他愛もない冗談から始まる、1973年におきた大きな騒ぎです。
経緯
1日目
まず、12/8電車の中で3人の女子高生が話している。
信用金庫に就職が決まった娘に、友達2人が「あぶない」という。
友達は「強盗」などのいみで冗談で言ったが、娘は真に受けて、親戚に相談。
親戚はかってに豊川信用金庫とおもう。
2日目
親戚は美容院経営者に豊川信用金庫が危ない、という
3日目
美容院経営者はクリーニングのご主人に話す。その妻も聞く。
4日目
この時点でうわさがじょじょに広まる。だがまだうわさレベル。
6日目
クリーニング屋でたまたま現金を下ろすように電話で指示する人がいた。
それを聞いたクリーニング屋の主人は、もう間違いないと、あわてて妻に引き出しを指示し、引き出した。
この後、この主人と妻は周りに話をし、ここでまたたまたま話を聞いたアマチュア無線愛好家が広範囲に連絡。
7日目
運命の12月14日。
パニックが勃発。
大勢の客が豊川信用金庫に殺到。
町中皆んな豊川信用金庫はもうダメだ、と信じてしまった。
また、騒ぎを収めようときた警察を見たり、
人がおおいので整理券配ったりしたことも、
すべて疑いを確信に変え、騒ぎを大きくする結果に!
もう悪循環。。。
この騒ぎを受けて、豊川信用金庫からはもちろん、全国信用金庫連合会・全国信用金庫協会、日銀が、マスコミへ報道の要請や、記者会見などで火消しを行う。
8日目
ようやく沈静化。
9日目
警察が経緯の調査結果を発表。上記のながれが判明する。
これ以降も、「いやいや、やっぱり危ないのでは?」などの話も残り、うわさはなかなかおさまらなかった。
伝言ゲーム
この事態で面白いのは、
「あぶない」
という冗談が、
「あぶないのか?」「そうなのか?」「ほんとうか?」
となり、
だんだんと
「あぶないらしい」「そうかも」となり、
もうさいごには
「あぶない!」「もうだめだ!」「いそげいそげ!」
となっていくところだ。
たった数日でパニックになるほど広まっていくのが、興味深い。
パニックへの対応
対応を間違えるとまずいと考えた、全国信用金庫連合会・全国信用金庫協会会長の対応がよいですね。
・札束を展示
・出金をとめない
・監督する役所などとのやり取りを公開
・最後の客まで閉店しない
・職員を安心させ、自信を持たせる
これらの対応により、顧客は「あれ、あぶなくないのかな?」と思うようになったのでしょう。
でも被害はおおきかった
結局この騒ぎで14億ものお金がおろされたとのこと。
うわさはこわい。
とくにお金に絡むうわさはこわいですね。
この事件は故意ではない
この事件は故意ではなく、かってに話がおおきくなっただけ。
ただ、1973年というまだテレビラジオくらいで、SNSなんてない時代なのに、
たった数日でパニックになった事件と考えると、
いまのフェイクニュースのおそろしさたるや。。。
けっきょく、しっかりとみきわめる目が必要ですね。。。