わかいころに死ぬほど聴いたアルバム、その5。
ハッスルはお好き?/GO-BANG'S
このアルバムは1987年にGO-BANG'Sがインディーズで発表した2枚の12inchシングルを1枚にまとめ、1曲追加して1988年のデビューと同時に再発されたもの。
この人たちのデビュー後のアルバムも持っているものはあるが、なんだかんだこのアルバムを聴き続けている。
GO-BANG'S
1983年に中学生が札幌で結成したバンド。その後、メンバーの森若香織が東京へ越したため自然消滅。が、たまたま札幌に残していったテープをRCサクセションの忌野清志郎が聴き「いいじゃん!!」の一言で、残ったメンバーも上京し森若と合流。
RCサクセションのメンバーのサポートをうけながら東京で活動し、1988年にデビュー。
その後、ドラマ、映画、CMなどのタイアップも多くあり、人気バンドになった。
1994年の解散するも、現在は森若香織のソロ名義のバンドではあるが活動継続中。
前半 HUSTLE-BANG!BANG!
4曲入りの12inchとして販売されたもの。
彼女たちをかわいらしいガールズバンドと思っている人もいるかもだが、ブリティッシュロックの激しさと哀愁、はじけるパンク、メロディアスで独特なワードセンス。
けっこう先端のロック・パンクであると思う。
「愛をこめて、もっと!もっと!」
「ハートアタッNO.1」
「シャイリー・キャンディー」
「バレラはおせっかち」
どの曲も粒ぞろいで、飽きさせない。
おまけで入った
「エレキ天国」
は、ノリノリのゴーゴーロック。
後半 プリマドンナはお好き?
こちらも半年後の発表ということもあるので、流れは同じだが、前半と比べてメロディに磨きがかかっている。森若の独特の節回しがけっこうたまらん。
「プリマドンナはお好き?」
「麗しのミス・ゴージャス」
「KISS・ME!KISS・ME!」
「ピンガール」
など、今聞いても、他に類のない新鮮な音楽だと思う。
粗いがゆえに
自主製作ということもあり、アレンジや録音が粗いところもある。
が、そのため音楽的なセンスや才能がはっきりとわかる。
洋楽で言えば、レニー・クラビッツや、GN'R、ニルヴァーナなど、ファーストの衝撃って多い。あまり音をいじくると、本来の作品の良さが見えづらくなるところを、奇跡的なバランスで残っている感じ。
ちょっと大げさかもしれないが、私はこのアルバムにはそれを感じます。
森若の音楽的な才能はこのころから爆発しています。
ベースの谷島美砂の硬くて跳ねる低音もいいし、斉藤光子の激しいドラムもよい。この3人はとても相性がいいですね。けっこうこのころもライブで盛り上がったのでは。
また、このアルバムにギターで参加しているポコペンこと富田綾子(のちに「さかな」で活動)のギターがまたいい。激しくも、明るく、自由な感じ。
このアルバムのどの曲だったか定かではありませんが、ギターをラジカセにさして、その割れた音をそのまま録音したとか。パンクだね。
このアルバムは、彼女たちのあふれる才能がそのままパッケージされている、という意味でも貴重だし、何度聞いても素晴らしい。
けっきょく、その瞬間を閉じ込めたオリジナルの音源というのは素晴らしい。