Wikiで今日の日付を検索するのが好き。
今回は、アラフィフプロレスファンにはおなじみのあの事件。
2月3日
1637年オランダチューリップバブル崩壊、1851年ジョン万次郎帰国、1972年札幌オリンピック開幕、2011年IPv4が枯渇。
1941年ドリーファンクjr、1959年小西康陽、1971年有田哲平、1995年土屋太鳳誕生。
そんな日に起きた大事件!!
雪の札幌テロ事件
1984年のこの日、新日本プロレスは札幌中島体育センターで興行を行っていた。
新春黄金シリーズ。テレビではまだゴールデンタイムで放送を行っており、この日は生中継。
このころの黄金カードと言える藤波辰爾vs長州力のWWFインターナショナルヘビー級選手権が行われるからだ。
わたしもテレビで観戦していました。
長州力入場
さぁ、はじまるぞ。
超満員の会場。異常な盛り上がり。
長州力入場シーン。聴衆の入場口に人垣ができている、が、なにかおかしい。
昔は入場する選手に触ろうと人が集まりもみくちゃになることはあったが、ちょっと異常。
実況席でもなにかただならぬ雰囲気。古舘伊知郎が「なにかがあったもようです!」と絶叫をする。
当時小学生の私は、なにかわくわくどきどきである。
長州血だるま
しばらく混乱状態が続くが、長州の姿が見えるとビックり。
顔面血だらけで、ふらふらしながらリングに近づく。
その時の長州の仲間であったアニマル浜口がマイクで何かを叫んでいる。
むかしのプロレスラーってみんなだみ声で、マイクで絶叫するから、何言っているかさっぱりわからないが、非常にやばい状況であることはまちがいない。
藤波辰爾ブチギレ
ここで相手の藤波が飛び込んでくる。なぜか藤波がブチギレ。
長州だけでなく、維新軍のアニマル浜口や小林邦明を殴る、大先輩の山本小鉄や坂口征二も殴る。
もう、完全に切れている藤波辰爾。
長州との間もプロレス技ではなく、殴る、髪の毛を引っ張る、放り投げるなど、ただの喧嘩になっていた。
中継ではなかったが、この後藤波は表にタイツのまま飛び出し、タクシーに乗り込んで、
「こんな会社辞めてやる!」
と叫び町に消えていきました。
そのため試合は行われずそのまま終了。
正直その後の中継がどうなったか覚えていない。
見ているこっちも興奮状態だ。
襲ったのは藤原喜明
あとで流されたVTRでは、鉄パイプを持った藤原喜明が殴りかかっているのがわかる。
藤原もその前の試合で、維新軍にやられていたとのことで、その腹いせでは?と山本小鉄が中継でコメントしていました。
藤原喜明と聞いて、私は顔は出てくるものの試合の印象はあまりありませんでした。
正直藤原はこの時は2番手3番手の選手で、テレビ中継でもあまり出ていません。
顔がとても怖い選手なので顔は覚えているものの、あまり印象はなかった。
しかし、この事件以降、藤原は恐怖と危険を兼ね備えた選手としてブレイクしていきます。
実際の映像はこちら。
なんだったのか?
ここからはプロレスファンにはたまらない妄想ですが。。。
いろいろな説がありますが、はっきりしているのは猪木の指示だった、ということです。
これはいろんな人がいろんなことをいいますが、ここだけはほぼ一致しています。
最近公開された映画「アントニオ猪木を探して」で藤原もはっきりは言っていませんが、ほぼそういうことを言っています。
「俺がクビにならなかったということはどういうことか、ということですよ」
じゃあ猪木は何を狙っていたのか。
・藤波vs長州がマンネリ化していた。
黄金カードではあるものの何度もやっているので、そろそろぶち壊さなければならない。
・新しい起爆剤になる選手として藤原を選んだ
藤原を選んだかどうかはいろいろと説があるが、上記と同じようにマンネリを打破しようとした。
・前年にクーデターを起こした人達に制裁を科した。
個人的にはこれかと。1983年に当時社長だった猪木、副社長の坂口、営業本部長新間寿らを退任させ、山本小鉄、藤波辰爾、営業の大塚直樹がクーデターを起こした。が、あっという間に猪木が社長に返り咲いた事件があった。
そして、表面上は円満に大塚直樹は兄弟会社として「新日本プロレス興行」なる興行会社を作り、この札幌大会の興行主でもあった。そしてこの試合は藤波が出場する。そこで、試合をぶち壊し、興行として失敗させる。
ここで藤波の「やめてやる!」発言はすごくリアルに聞こえる。
そこから冬の札幌は何かある!
これは副産物かもしれないが、そこから冬の札幌の新日本プロレスの大会では「何かある」という期待が続いたのです。
実際に有田哲平の物まねでも有名な「猪木問答」もそうですね。
そして今年の2月札幌はオカダカズチカの新日本ラストマッチが予定されている。何かが起きるのか??
こうした虚実入り混じった混とんとした状況は昭和プロレスのだいご味ですね。
けっきょく、プロレスファンは妄想が好き。