330円のいざない その6
配信で音楽を聴くのが普通になっていますが、単曲よりアルバムが好き。
あと手元に「もの」として持っていたい。
今回はその第6弾。印象に残る不思議なサウンドトラック。
王立宇宙軍 オネアミスの翼

1987年に公開されたオリジナルアニメ映画。
新世紀エヴァンゲリオンで有名なGAINAX制作。
というか、もともとこの映画を作るためにできたのがGAINAXだったそうです。
実はこの映画は、テレビで2回くらい見た程度かな。。。
ただ、SFではあるものの、人間ドラマが非常に濃密で、哀愁あふれるストーリーで、大変面白かった。
それまでに見たアニメとは大きく違って、とても人間臭いものでした。
そしてそれをより印象深くしたのが音楽でした。
メイン・テーマ
坂本龍一の楽曲。
すこし民族的な感じもするし、すこし悲し気な感じもするし、シンプルなメロディを繰り返しますが、徐々に広がっていくのが宇宙も感じます。
名曲だと思います!
リイクニのテーマ
こちらも坂本龍一の楽曲。
リイクニは主人公シロツグが何の目標もなく、日々を過ごしていた時に出会う少女。少し浮世離れをしていて、外国の宗教を熱心に信仰している彼女は、シロツグのやる気に火をつけることになる。
まわりの人からちょっと不思議に見られているが、実はとてもきれいで素直な心の持ち主。
そんな彼女にピッタリな曲。
国防総省
この曲すごいな。
何がすごいって、映画の中で、絵と曲の感じがものすごく印象に残っている。
能のような曲ですが、荘厳さの裏にある怖さというか、いろんな感情が出てきましたね。
喧騒
町中のまさに「喧騒」を表現しています。
しかもちょっと猥雑さや、人々のうっぷんも表していますね。
これも名曲だなぁ。
無駄
まさに王立宇宙軍を表している楽曲。
失敗ばかりで、何の意味のない軍隊、その訓練も意味のないものでした。
ちょっとユーモラスですが、作りこまれた音楽ですね。
やはりすごいなぁ。
歌曲「アニャモ」
ここまで設定をしていくのは、のちのエヴァンゲリオンなどにも通じますね。
聖なるリイクニ
先のリクイニのテーマの別アレンジではありますが、題名の通り、その澄んだ心のリクイニが、とても聖なる者として表現されています。
讃美歌のように美しい楽曲。
シロツグの決意
窪田春男の楽曲。物語の終盤。宇宙へ飛び立つことを決意した主人公シロツグの決意。
マーチのような勇ましい感じと、ちょっとおどけた感じが、シロツグをよく表しています。
戦争・離床
戦闘シーンで流れます。そしてシロツグののるロケットの打ち上げ準備を進めていきます。緊迫したシーンで流れるこの曲もちょっとエスニックな感じもあり、物語のピークを飾ります。
まさに名シーンですね。
戦っている人たちが、思わず見上げて、飛び立っていくロケットを見つめます。
OUT TO SPACE
宇宙に到達したシロツグが、地上の人たちへメッセージを送ります。
ただ、このシーンを見るたびに、このメッセージが地上に届いているのかどうか。。。
それもまたこの映画のメッセージかもしれません。
FADE
ラストを飾る曲。
人の歴史をたどる絵をバックに流れるこの曲は、人類の罪を表しているようにも思います。
ハッピーエンドではありますが、でもまたこれから人類はいろんな罪を犯すのでしょう。そんな余韻を持たせる名曲ですね。
まとめ
サントラはそれほど聴かないのですが、このアルバムはアルバムとしても素晴らしいですし、映画の興奮をより搔き立てる映画+音楽の名タッグだと思います。
けっきょく、若い製作者のチャレンジを感じる映画とベテラン音楽家の結晶ですね。