わかいころ死ぬほど聴いたアルバムの15枚目。
この方はなかなか知っている人がいないのですが、でも知っている人はそのすごさをよくご存じと思います。
吉田美奈子
1953年生まれのシンガーソングライター。
1973年20歳の時にソロデビューをされていますが、高校生の時に細野晴臣、松本隆と交流が始まり、大瀧詠一のデビューアルバムにも参加するなど、シティポップの創世記にかかわります。
また作詞家としても活躍しており、山下達郎にも多くの歌詞を提供しています。
今回は1976年発売の彼女の4枚目のアルバムです。
FLAPPER

このアルバムでは、いろいろな人から曲を提供されていますが、すごい豪華。
前述の山下達郎、大瀧詠一、細野晴臣という旧知の仲間から、矢野顕子、佐藤博も作詞作曲だけでなく演奏でも参加しています。
そんな超豪華なミュージシャンに負けない、彼女の歌声とリズム感、パッションがあふれ出る名盤です。
できればアナログレコードで爆音で聴きたいところですが、持っているのはCDです。。。
愛は彼方
1曲目。自身の作詞作曲。静かに始まるのでバラードかと思いきや、ソウルフルなノリがよく、シティポップのおしゃれさもあり、1曲目からわしづかみされますね。
またギターが印象的ですが、やはりこういうギターは鈴木茂でしたね。
初恋のような甘い感じ。
かたおもい
らしい、っていう曲ですね。ちょっとかわいいけど、ちょっとサイケ。
吉田の歌声にもあっていて、これこそアナログで聴きたい曲。
途中の「涙が出るほどあなたが好き」というストレートな歌詞がいいです。
ケッペキにいさん
吉田の作詞作曲。ソウルフルなパワーチューンですね。
歌詞の言葉遊びがかっこいい。大好きな曲ですね。
最後の締めの一言が最高!
ラムはお好き?
これも、らしいって曲ですね。
この曲のファンはおおく、いろんな方がカバーしています。Youtubeなどで聴いてみてください。
なかなか振り向いてくれないあなたを待っている。歌詞の中では出てこないラム。そういう風に声をかけたいのかな。
夢で逢えたら
この曲は大瀧詠一の名曲として知られていますし、いろいろな方は歌われていますが、実は初めてリリースしたのは吉田美奈子。
こちらは大瀧詠一バージョン。
素晴らしい名曲ですね。
チョッカイ
佐藤博作曲。これもソウル全開のかっこいい曲ですね。
この曲は逆にちょっかいを出してくる男に「無駄よ」と突き放していつのかな。
Soul Musicを取った女性って感じ。
ラスト・ステップ
山下達郎作曲。おしゃれなダンスミュージック。
まさに恋人との最後のダンス。悲しいけど、さわやかにさよなら。
素敵な曲ですね。
この曲は山下達郎もよくライブで披露しますね。
永遠に
こちらも山下達郎作曲。
アルバムの最後を飾るにピッタリのバラード。
こちらは曲は違いますが、山下達郎との共演。
まとめ
このアルバム、豪華なゲストと作者陣、吉田美奈子の他を寄せ付けない素敵な歌声とが目立ちますが、けっこうコンセプトアルバムのようにも思います。
「愛は彼方」のように初恋で始まり、「かたおもい」があり、「朝は君に」で夜を共に過ごし、でも「ケッペキにいさん」で嫌気がさし、「ラムはお好き?」で大人の恋を知り、「夢で逢えたら」と待ち焦がれ、でも知らん男に「チョッカイ」だされ音楽に集中しようと思ったら、秋から冬に向かい中「忘れかけてた季節へ」であなたを思い出し、再び「ラスト・ステップ」で大人の恋をあきらめようとしたが、運命の人に出会って「永遠に」愛を取り戻す。
歌詞から最後に愛する人に出会えたようには思いましたが、少し悲し気にも感じる歌詞。深読みしちゃいますね。
とにかく音楽といい、歌声といい、アルバムといい、日本音楽史の中でも名盤中の名盤と思います。ぜひ、大きな音で、コーヒーかお酒を飲みながら、集中して一気に聴いてほしいアルバムです。
けっきょく、日本のポップスはすばらしい。